幼なじみじゃ、なくなった夜。
「……頭…いったぁ〜……」
ガンガンと心臓の鼓動に合わせて襲ってくる頭痛と、吐き気と、全身の怠さと。
最悪な気分で目を覚ますと、目の前にはイケメン(ドアップver.)がいた。
「……は?」
あれ。なんか喉も痛いし、ガラガラだし。
しかもこのイケメン、ただのイケメンではない。
何を隠そう、この瀬戸内夏帆の幼なじみ、榎波海斗に間違いなかった。
しかも。
こっこいつ…服着てないし!!
「このっ…変態がぁあ!!」
思わず罵倒しながらベッドから飛び出すと、なんとそう言う私も、ぜ、全裸だった…!!
「えぇええええ!?」
しかもよく見るとこの部屋、私の部屋じゃない…!私の部屋よりすごい広いし綺麗だし!!
「はぁあああ!?」
「うるっせーなー…」
パニックに陥っていると、目を覚ましたらしい榎波がその引き締まった上半身を起こした。
その勢いで、僅かにかかっていた掛け布団がはがれ、大事なところが丸見えに…!!
「ぎゃー!素っ裸で何やってんのよこの変態!!」
思わず手の平で顔を覆うと
「…お前もな」
そう冷静に返された。
「ちょっ…何見てんのよこの変態!!」
そばにあった枕を投げつけると、見事榎波の顔面に命中。
「いってぇ!!」
榎波が呻いている間に、近くに落ちていた服を慌てて身につけた。
ていうかこれ…昨日着てた服!?しかもなんか、酒臭い!?