幼なじみじゃ、なくなった夜。





「もう、チューくらいしちゃえばよかったのに」



「はい!?」




「だって一回ヤッちゃってんでしょ?もうチューくらい大したことな「はい黙ろうか黙ろうね愛理ちゃん」




余計なことを口走り始めた愛理の口に余っていた塩ダレキャベツを突っ込む。だけど愛理はそれでもめげることなく、キャベツをモゴモゴと咀嚼しながら「夏帆だって分かっへんへほ?」と続けた。




「榎波が冗談でそんなこと言わないって。だからそんなに悩んでんでしょ?」



「…まぁ……」





好きだ、と言ったときの榎波の真剣な表情、そして抱き締められたときに感じた速い心臓の鼓動。




つい、信じられないなんて言って逃げてしまったけど…





わかってる。ほんとは、分かってるよ。





榎波が本気だってこと。





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