幼なじみじゃ、なくなった夜。
だからこそ
「どうしたらいいか分かんない…」
頭を抱える私の肩を、愛理がポンポンと叩いた。
「まぁ、突然のことだったもんね。今までずっと友達と思ってた奴に告られたら、戸惑うのも無理ないよ」
「うん…」
「まぁ…私はとっくに気付いてたけどね。榎波の気持ち」
「うん……え!?」
ガバッと顔をあげた私に、愛理が、ほんとに鈍いよね、と苦笑いした。
「あんなにわっかりやすい男、いないよ?
ことあるごとに夏帆に話しかけてたし、ちょっとでも夏帆に近付こうとする男がいると牽制しちゃって、大変だった」
「そ…そうなの!?」
…全然気付かなかった。
「…ていうか私に近付こうとしていた物好きな男とか…いたの?」
「…これは榎波も苦労するわ」
大きなため息をついた愛理が、とにかく今日は飲みな!と、私にメニューを差し出した。