幼なじみじゃ、なくなった夜。
「ここどこよ!?」
痛そうに鼻をおさえている榎波にそう聞くと
「俺の部屋」
「…な、何で私がアンタの部屋にいるわけ!?」
「…お前、もしかして昨日のこと、何も覚えてねぇの?」
昨日のこと…?
「…昨日は…アンタと居酒屋行って、いつも通り飲んでたじゃん」
「だな。で、その後は?」
その後…?
ビールの五杯目を、店員のお兄さんに注文したところまでは覚えている。その時の、榎波の呆れた顔も。
それで、その後は……
「…覚えてない」
思い出そうとすると、頭痛とともに、強烈な吐き気が…!
「…はぁ…」
そんな私の様子に、深いため息をついた榎波は、ガシガシ頭をかいて言った。
「覚えてなくても、この状況で何があったか、大体想像はつくだろ?」
この状況で…?
私は必死にガンガン痛む頭をおさえながら推理する。
私は裸。榎波も裸。居酒屋帰り…。
「今流行りの、ア◯ラ100%ごっこしてたとか!?」
「アホか」
私の推理は、引きつった顔の榎波に一蹴され終わった。