幼なじみじゃ、なくなった夜。
最低だな。
「夏帆!久しぶり〜っ!!!」
「っわ、びっくりしたなぁもう!舞香じゃん!」
そしてあっという間に時は過ぎ…同窓会当日。
会場のホテルに着くやいなや、先に到着していた舞香が飛びついてきた。
「もう!もしかしたら行かないかもとかいうから心配してたよ!よかった〜来てくれて!」
「アハハ…ごめんごめん」
手を合わせて謝る私。
行こうか行くまいか…悩んだけど、結局私は、出席に丸をつけて投函した。
榎波と気まずいから行かないっていうのはダメだと思ったから。
あの傘を返した日から、私は榎波を避けるのをやめて、普通に接している。
榎波も、そんな私に普通に接してくれる。
…たまに、ドキッとするようなセリフを言ってくることもあるけれど。
「もう!あとで最近のこととか色々聞かせてよ?とりあえず席自由だからテキトーに楽しんで!じゃっ!」
そして舞香は風のようなスピードでどこかへ走っていってしまった。
幹事は色々と忙しそうだ。
周りを見渡してみると、すでに結構な人数が集まっていて、再会を喜ぶ声があちらこちらから聞こえてくる。
「あれ、夏帆じゃん!」
「うわっ!えっちゃん!?久しぶり〜!」
その中に部活が一緒だったえっちゃんを見つけて、私もその輪の中に加わった。