幼なじみじゃ、なくなった夜。
「ったく、変わんないなアイツ。相変わらず女子を根こそぎ持っていきやがる!」
女子がごっそりいなくなったテーブルで、苦笑いするのは三年生の時に同じクラスで、野球部の主将を務めていた松岡くん。
あの頃は坊主のイメージだったけど、卒業から6年経った今は、いい感じにワックスで髪の毛を遊ばせちゃったりしている。
「松岡くんは変わったよね〜。なんかチャラくなった?」
「はっ?チャラくねーし!毎日死ぬほど外回りする毎日だし!」
「ほら、喋り方がなんかチャラいもん」
「えぇ?そうかぁ〜?」
その時、マイクを持った舞香が前に出て「じゃっ、盛り上がってるところですが皆さん一回席に着いてくださ〜い!」と声を張り上げた。
「えー、みなさん、ドリンクの方は手元にありますか〜?大丈夫そうですか〜?
えー、みなさん、高校を卒業してから6年ほどたちまして…どうですか?つまんない大人になってないですかーっ?
ではみなさん…起立!でお願いします!」
舞香の言葉に、全員がドリンクを持って立ち上がる。
「今日は仕事のことは忘れて楽しんできましょう!それでは…乾杯!!」