幼なじみじゃ、なくなった夜。





みんなでグラスを合わせて、そこからは暫しの歓談タイム。




忙しそうに走り回っていた舞香も、少し時間ができたらしく私たちのテーブルへやってきた。




みんなの話を聞いていると、仕事や、家庭のことが自然に話題の中心になっていく。


みんな変わってないようだけど、のぼる話題に、あー、やっぱり大人になったんだなぁ、としみじみしてしまった。





「で?夏帆は彼氏とかいないわけ?」




一通りみんなの近況報告が終わったところで、いきなりそう突っ込んできたのは舞香。



自然にみんなの視線が私に集中する。





「…えと、今は!いないかな〜!」





なぞの見栄で、つい“今は”を強調してしまった。




本当は社会人になってからというもの一人もいないんですけどね…。



でもなんか悔しいじゃん!もう結婚して家庭を持ってる人までいるっていうのにさ!





< 47 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop