幼なじみじゃ、なくなった夜。
みんなでグラスを合わせて、そこからは暫しの歓談タイム。
忙しそうに走り回っていた舞香も、少し時間ができたらしく私たちのテーブルへやってきた。
みんなの話を聞いていると、仕事や、家庭のことが自然に話題の中心になっていく。
みんな変わってないようだけど、のぼる話題に、あー、やっぱり大人になったんだなぁ、としみじみしてしまった。
「で?夏帆は彼氏とかいないわけ?」
一通りみんなの近況報告が終わったところで、いきなりそう突っ込んできたのは舞香。
自然にみんなの視線が私に集中する。
「…えと、今は!いないかな〜!」
なぞの見栄で、つい“今は”を強調してしまった。
本当は社会人になってからというもの一人もいないんですけどね…。
でもなんか悔しいじゃん!もう結婚して家庭を持ってる人までいるっていうのにさ!