幼なじみじゃ、なくなった夜。






「へぇ、瀬戸内普通にモテそうなのに意外だな」




お世辞だとは思うけれど、そんな嬉しいことを言ってくれるのは松岡くん。




くぅ〜!やっぱり主将を務めてた人は気遣いが違いますわ!!





感動していると「じゃぁそれこそ榎波でいいじゃん」と舞香がシャンパンを飲みながら、あっけらかんとそう言ってきた。




「は、はぁ?いいじゃんって舞香…何言ってんの?」



「だって榎波ってイケメンだし頭もいいし運動神経だってよかったじゃん?逆に何の不満があるわけ?」



「ふ、不満とかじゃなくてさぁ…」





チラ、と榎波のいる方に視線をうつすと、少し離れたところで相変わらず女子に囲まれていた。




懐かしいなあ、あの王子様な感じ。と見ていると、女子の隙間から一瞬見えた榎波とバチッと視線があう。


榎波が何か言いたげな顔でこっちに歩いてこようとして、しかしすぐに別の女子につかまっていた。



笑顔でピースなんかして写真撮ってるし。





…ふーん、なんだかんだ楽しんでるみたいですね。




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