幼なじみじゃ、なくなった夜。




榎波から視線を外してゴクゴクとシャンパンを煽る。




…あれ、なんで私ちょっとイライラしてんだろ。





「ていうか、夏帆と榎波ってまだ付き合ってなかったんだ〜、そこに驚きだわ」




笑いながらそう言うえっちゃん。




「何言ってんのえっちゃんまで!」



「だって高校の時から夏帆と榎波っていつも一緒にいたじゃん?一緒の大学行くって聞いた時点でもう付き合ってんのかと思ってたんだよね〜」


「それがね奥さん、この2人、職場まで一緒なのにまだなぁ〜んの進展もしていないそうですよ」



「ほんとですか奥さん!?」





コソッとえっちゃんに告げ口した舞香と、そんな舞香に合わせてなぜか主婦風のノリで盛り上がるえっちゃん。




「え?でも榎波って、高校の時常に彼女いたよな?」



キョトンもする松岡くんに、「だぁー!松岡くん鈍い!この鈍チン!」とえっちゃんが大袈裟にため息をついた。




「たしかに榎波はモテたし彼女も作ってたけど、明らか夏帆のことは特別だったでしょ。
だって彼女と別れる理由、いつも彼女が仲良すぎる夏帆にヤキモチ妬いて、榎波がそれでも夏帆ばっかり優先するからフラれんの。

毎回その流れだったじゃん」





…え、そうなの?






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