幼なじみじゃ、なくなった夜。





「あれ?どうした?もしかして感動しちゃってる?」




急に黙り込んだ私を覗き込んで、悪戯っぽくそう聞いてくるのは舞香。





「ち、違うし。感動とかじゃないから」



「ていうか本当に榎波と夏帆付き合ってないの〜?」




尚も疑ってくるえっちゃんに、「だから付き合ってないって!」ときっぱり否定した。





なんでよ。




私高校の時からずっと、榎波のこと一番分かってると思ってた。



付き合いも長かったし、仲もよかったから。たったそれだけの理由で、全部知った気になってた。




でも本当のところは私が一番分かってなくて、周りのみんなの方がよっぽどよく分かってる。





…なぜだか分かんないけど。




それがすっごい悔しい。






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