幼なじみじゃ、なくなった夜。






それからムービーを見たり、みんなで簡単なゲームをしたりしてあっという間に時間は過ぎて…




「はい!じゃぁ二次会の会場ですが…」




舞香が前で二次会の案内をしている。




それを聞きながら、とりあえずすぐ移動できるように荷物をまとめていると、




「瀬戸内は二次会行くの?」





松岡くんが話しかけてきた。






「うん、せっかくだし行こうかな。松岡くんは?」



「あー、俺この後仕事の用で急に出なきゃいけなくなってさぁ」




「そっかぁ、大変そうだね」




「まーな。よかったら連絡先教えてよ、また暇なとき飯でも行こ」



「うん、いいよー」





お互いのスマホを出して向き合わせる。




みんなは徐々に立ち上がって、二次会へ移動するなり帰るなりし始めていた。





「ふるふるでいい?」



「了解…ってちょっと!」





不意にのびてきた大きな手に、私のスマホが奪い取られる。





「何すんのよ…榎波!」





顔をあげると、榎波が不機嫌そうな瞳で私を見下ろしていた。





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