幼なじみじゃ、なくなった夜。
「榎波ぃ!?」
「ちょっ!だから声大きいってば!」
観念して白状した私に、愛理はくわっとその大きな目を剥いた。
「…ふーん。なるほど。このまま永遠にグダグダ終わるのかとも思ってたけど、アイツもついに本気出したか」
そしてブツブツと、何かを呟いている。
「は?愛理何言ってんの?」
「別に?で、一体どういう流れで、榎波とそういうことになったわけ?」
「ど、どうって…」
そう。
私と榎波は腐れ縁。
小学一年生のとき。
隣の席になったのがきっかけで、それから中、高、大、おまけに新卒で入社した今の会社までずーっと一緒。
お互いそうしようとしているわけではないのに、なぜか毎度、一緒になってしまうのだ。不思議なことに。