幼なじみじゃ、なくなった夜。
「で、夏帆は何を落ち込んでるわけ?」
「何って、そりゃ恋愛レベルが小5なんて言われたら…」
「そっちじゃなくて」
バリ、と塩ダレキャベツを咀嚼しながら言う愛理。
「勝手にチューされたのは夏帆なのに、何でその夏帆が落ち込んでんのって聞いてんの」
「それは…イライラして酷いこと言っちゃったから」
「じゃぁそもそも、何で夏帆はイライラしたわけ?」
「それは」
…続く言葉が出てこない。
何でだろう。
ふ、と頭をよぎるのは、女子と楽しそうに話す榎波、そして楽しそうに写真撮影をする榎波…。
…別にそれで、私がイライラする要素はどこにもないはずだ。ないはずなのに。
「何でだろう…?」
首を捻った私に、はぁ…と愛理が深いため息をついた。
「訂正する。あんたの恋愛レベル小3」
か、格下げされた!?