幼なじみじゃ、なくなった夜。
「いーい?」
まさかの降格にショックを受ける私に、ビシッと突きつけられる塩ダレキャベツ。
「いきなり榎波のことを男としてどう思っているのか?なんて難しく考えるから混乱するの。
まずは何で自分がイライラしたのか、そこだけをゆーっくり考えてみなよ」
何で、イライラしたのか…。
「わからん…」
「誰が今答え出せっつった!?家でゆっくり考えな!バカなんだから!なんせバカなんだから!」
うーん…気のせいかもしれないけど、もしかして私、めっちゃディスられてる??
追加で運ばれてきた赤ワインをゴクゴクとまるで水のような勢いで流し込む愛理。
「愛理、酔ってる?」
「全然?」
空になったワイングラスを片手に、愛理が優雅に微笑む。
どうやら私がめっちゃディスられているのは、酒に酔っているせいではないようだ。
「ほら、夏帆も飲みなよ」
私の前に残っていた青リンゴサワーを顎でしめして、愛理が促す。
「はーい…恋愛レベル小3、飲みまーす!」
そりゃ愛理と比べたら経験豊富ってわけじゃないけど、それなりに彼氏もいたことあるし、恋愛してきたつもりだったんだけど、なぁ。