幼なじみじゃ、なくなった夜。
私にはじめて彼氏が出来たのは、大学2年生の秋だった。
元々、人よりもあまり色恋沙汰には興味なかった私だが、友達に「そろそろ彼氏作らなきゃやばいよ!?」と脅され、そうかも!!と焦って参加した合コンで出会ったうちの一人だった。
彼は1つ年上の、隣の大学に通う学生で。
第一印象は、めっちゃタイプの顔ですやーん!というものだった。
切れ長の瞳にス、と通った鼻すじ、薄い唇。今流行りの塩顔男子だ。
私のタイプど真ん中の顔をした彼は、当然さぞおモテになるのだろう、と思い自分から積極的に動こうとはしなかった臆病な私。
しかし、神様の気まぐれか、とんだミラクルが起こり、なんとその塩顔イケメンから後日連絡がきたのだ!
そして何度かデートをした後交際に発展、はじめは順調だった。だが…
奇跡はそう長くは続かず。
ある日突然、「就活に集中したいから」という理由でふられた。そしてその数日後、街で偶然、違う女子と歩いている彼を見かけた。
きっと就活に集中したいなんて嘘で、あの子と付き合いたかっただけだろう。
こうして私の切ないはじめての恋は、ひっそりと終わりを告げた。僅か半年の出来事だった…。
ー完ー