幼なじみじゃ、なくなった夜。
「…え、なんで…ほ、ほんとに涼平…?」
目の前の光景がにわかには信じ難い私に、偽物じゃねーよ?と笑う…涼平。
何で。何でこんな所に!?
もう二度と、会うことはないと思ってたのに。
「俺、最近転職してさ。この辺になったんだわ、職場。夏帆も会社この近く?」
「ま、まぁ…こっから歩いて五分くらい…」
「マジっ!超近所じゃん!」
…なんか、普通にこうして会話していることが、何だかまだ信じられない。
今朝の夢の続き、なわけないよね?
念のため頰をつねってみたけれど、目が覚めることはなくて。
ただ目の前の涼平が、何やってんの、と不思議そうに言っただけだった。