幼なじみじゃ、なくなった夜。






「涼平…何で私の会社…」




駆け寄ってきた涼平にそう聞くと、涼平はバツの悪そうに鼻の頭を触った。あ、これ、言いづらいことがあるときに涼平がよくやる癖だ。




「ごめん。こないだ夏帆と再会してから、大学の奴に今夏帆がどこで働いてるのか聞いた」



「…そうなんだ」



「ごめん…気持ち悪いよな」






「気持ちわりーよ」





それまで黙っていた榎波が、涼平から私を遮るようにして立つ。




「今更コソコソと何の用だよ、浮気野郎」



「…は?」




怪訝そうに眉をひそめる涼平。そしてまじまじと榎波を見つめて




「…あ」




思い当たったようだ。





「お前もしかして…榎波海斗?」



「そうだけど?お前のことはよーーく夏帆から聞いてたよ。就活を理由に別れたクセに実は浮気してただけのクソクズゴミ男だってな」




ちょっ…私さすがにそこまでは言ってないと思うけど!?





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