幼なじみじゃ、なくなった夜。
…努力するよ。
「……ランチにも行かず何やってんの?夏帆」
「あ、愛理。ちょっと勉強をね」
昼休み。
人がランチに出払った社内で、私は勉強という名の読書に励んでいた。
読書といっても
「マンガだよね?それ」
愛理が私の手元にあるそれを怪訝そうに指さす。
「しかも何?少女マンガ?」
「そう!なんかこれ、女子高校生からOLの間ですごい人気らしいんだよねー」
「はぁ…。で、それの何が勉強なの?」
「や、だって私愛理にも榎波にも恋愛レベル小3だのオコチャマだの言われるからさ?
これ読んだらちょっとは恋愛偏差値あがるかなーって」
だって帯のところに“女子なら絶対共感できる等身大恋愛”って書いてあったし!
それはつまり、みんながしているようなリアルな恋愛がこれで学べるってことでしょ?
愛理からの呆れた視線に気づかないまま真剣に読書に励んででいると、愛理は不意に「フハハハハ!」と大声で笑ってからふと真面目な表情に戻って
「夏帆ってアレだね。恋愛に関してはバカだなって思ってたけど、普通にバカだね」と言われた。
なに!?