使い古した体でも。
書き置き、言の葉
私は曲が書けない
こんなにも日々を持て余しているのに

私には曲が書けない
こんなに憂いを使ってるのに


鋭利な視線に言葉を片付けられた。


残るはそう 白紙の頭だけだ。



私は歌が歌えない
物足りないと抗ってるのに

私には歌が歌えない
口を開けば堰を切ったように

あふれるものがあるから。




「拝啓、残されたもの達へ

これ程の痛みを

劣等にまみれた孤独を

どこで 置いていけばいいのでしょう。

いつの間にか
こんな自分が出来上がっていった。

漏らす言葉はもうない 。


愛すべきもの達 どうか私のようには、

愛すべきもの達 どうか私のようには。


誰かの耳に届くことを願い、
やがて嫌悪で満ちるこの言葉を残そうと
思う次第であります。


敬具」
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