極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
好きです 結婚してください
職場
地上から150メートルも離れた場所で仕事をするひとの気が知れない。
「いい加減慣れてくれないか」
黒髪、メガネが生徒会長を連想させる男性が壁に張り付いている私を見て呆れたように言う。
「ここに来るのは三回目だろう」
回数を重ねれば克服出来るという問題ではない。
この応接室に入るたび、彼の背後にあるバカみたいに大きな窓に足が竦む。
梅雨の時期だから雨でガラス窓が霞むと期待していたのもいけなかった。
今日に限って晴天だなんて。
ここに来るまでの全面ガラス張りエレベーターも最怖で、発狂する寸前。
せめて階段で昇り降り出来る階数に社屋を構えてくれればいいのに、と何度思ったことか。
ただ、この気持ちは高所恐怖症でない彼にはわからない。
「早く仕事をしてくれ」
冷たく言われてしまう。
「そうしたいのは山々なんですが…」
窓に対して背を向けて腰掛けている彼の前に座るには、外界が見える窓側に向かって歩かないといけない。
「それはムリ…」
どうしても怖くて、その場にしゃがみ込む私にしびれを切らした彼はめんどくさそうにリモコンを操作し、大きな窓にカーテンを引いてくれた。
「いい加減慣れてくれないか」
黒髪、メガネが生徒会長を連想させる男性が壁に張り付いている私を見て呆れたように言う。
「ここに来るのは三回目だろう」
回数を重ねれば克服出来るという問題ではない。
この応接室に入るたび、彼の背後にあるバカみたいに大きな窓に足が竦む。
梅雨の時期だから雨でガラス窓が霞むと期待していたのもいけなかった。
今日に限って晴天だなんて。
ここに来るまでの全面ガラス張りエレベーターも最怖で、発狂する寸前。
せめて階段で昇り降り出来る階数に社屋を構えてくれればいいのに、と何度思ったことか。
ただ、この気持ちは高所恐怖症でない彼にはわからない。
「早く仕事をしてくれ」
冷たく言われてしまう。
「そうしたいのは山々なんですが…」
窓に対して背を向けて腰掛けている彼の前に座るには、外界が見える窓側に向かって歩かないといけない。
「それはムリ…」
どうしても怖くて、その場にしゃがみ込む私にしびれを切らした彼はめんどくさそうにリモコンを操作し、大きな窓にカーテンを引いてくれた。
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