極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
問題
でも今はそれよりも気にかけるべき問題がある。
芳川さんの件で図らずとも紬の不正に対する考え方を聞けた。
『間違いは正さなければならない』
その言葉を胸に、朝一で所長と桧山さんに声を掛けて、紬の会社から借りてきた資料と会計データを見せる。
「まだ調べきれてはいないのですが」
「ん?なになに……って、え?もしかしてこれって…」
椅子に座ってパソコンを操作していた桧山さんが険しい顔で私を見上げた。
それに頷いて応える。
そして桧山さんの隣に座っている所長を見ると、美顔ローラーを持つ手を止めてパソコンを眉間にしわを寄せて凝視していた。
「一難去ってまた一難か」
所長のいつもより低い声が事態の大きさを感じさせる。
でも伝えるべきことは伝えないといけない。
「過去にも同じ事例が発生しています。時期的に前任の税理士が辞めさせられた頃に」
そう言うと所長は書類を手にして立ち上がった。
「前任の税理士の件は俺が伝手を辿って調べてみる。だから勝俣くんは早急にその裏付けを取ってくれ」
芳川さんの件で図らずとも紬の不正に対する考え方を聞けた。
『間違いは正さなければならない』
その言葉を胸に、朝一で所長と桧山さんに声を掛けて、紬の会社から借りてきた資料と会計データを見せる。
「まだ調べきれてはいないのですが」
「ん?なになに……って、え?もしかしてこれって…」
椅子に座ってパソコンを操作していた桧山さんが険しい顔で私を見上げた。
それに頷いて応える。
そして桧山さんの隣に座っている所長を見ると、美顔ローラーを持つ手を止めてパソコンを眉間にしわを寄せて凝視していた。
「一難去ってまた一難か」
所長のいつもより低い声が事態の大きさを感じさせる。
でも伝えるべきことは伝えないといけない。
「過去にも同じ事例が発生しています。時期的に前任の税理士が辞めさせられた頃に」
そう言うと所長は書類を手にして立ち上がった。
「前任の税理士の件は俺が伝手を辿って調べてみる。だから勝俣くんは早急にその裏付けを取ってくれ」