極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
「あ、ありがとうございます。嬉しいです。ゴルフは好きだし、得意なので」


最後の部分は照れ隠しで言ったわけではない。
ゴルフに誘われる機会が多く、そのために始めたゴルフに今ではどっぷりハマってしまい、平日は仕事が早く終われば打ちっ放しに練習に行き、日曜はゴルフ中継を見て研究しているのだ。

ゴルフが生活の一部と化していると言っても過言ではない。

そしてそれはスコアに反映されていて、そこそこいいスコアを叩き出す。

もちろん相手によって加減はする。
でも本気を出したときはほとんど負けることはなく、結果的に『女に負けた』と相手を凹ませてしまうことが何度かあった。

だから初めて一緒にゴルフをする人には事前に自分のベストスコアを言うようにしている。


「私のベストスコアは76です」


でも紬は信じられないと言うように、疑わしい目で見てきた。


「別に信じてくれなくてもいいですよ。でもきっと社長より良いスコアで回ってみせます」


宣戦布告とも取れるような発言にようやく紬が口を開いた。


「面白い。そこまで言うなら勝負しよう。どちらが良いスコアで回るか。ハンデはアリで構わないから」


挑発的な物言いに私の負けん気の強さが顔を出す。
そしていいことを思い付いた。
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