極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~

「もしかして楓ちゃんのこと甘く見てました?彼女、飛距離はなくても、綺麗に真っすぐ飛ばすんですよ。しかもアプローチも上手」


そう褒めてくれたのは桧山さん。


「そうそう。楓先生は頭いい上に運動も出来るんですよ。出てるとこ出てて、手足長くて何着ても似合うし。まったく、悪いところがひとつもないの。嫌味なくらい。羨ましいわ」


さらに褒めてくれたのは東さん。

小柄でクリクリとした大きな目が小動物を思わせる彼女は、学生の頃立ち上げたファッション系の事業が成功し、32歳になった今も最前線で活躍している女社長だ。

ゴルフは4人ひと組が基本だからこのメンバーで回り、大半の時間を共に過ごす。

だから紬の不機嫌さはなんとかして欲しいし、東さんの桧山さんに対するアピールも時にやりにくさを感じる。


「大丈夫ですか?」


東さんの順番が来たときにコッソリ聞いてみた。


「だいぶご執心のようですが」


東さんはゴルフクラブを握っていないときは必ず桧山さんの腕に自身の腕を絡めていた。
それがずっと気になっていた。


「事務所の規則のことは?」
「伝えてあるよ。それに今日は僕より中津川社長のことが気になるみたいだよ」


そう言った桧山さんの視線の先には、順番を待つ紬を見て頬を染める東さんの姿があった。
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