極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
事務所
連絡が来たのは週明けの月曜日だった。
『高所恐怖症克服について。日曜の午前10時。当社前集合』
ゴルフコンペの帰りの車中、助手席でスマートフォンを使い、何かを調べていたことに気付いてはいたけど、こんなに早く決行されるなんて。
「なんでこんなことに」
頼んでもいないのに克服の手伝いなんて、何としてでも拒否すれば良かった。
どこに行って、なにをするのか、何の詳細も書かれていないというのは不安しかない。
『慣れ…は難しそうだから、楽しいと思わせられれえばいいのか。思い切ってトラウマを再現して乗り越えるのもひとつの手かもしれないな』
あのときの紬の呟きが脳裏を過り、身震いが起きる。
「楓ちゃん?大丈夫?体震えてるけど、具合悪い?お菓子もらったんだけど食べれないかな?」
「お菓子?」
そこに反応して見ると、手にお土産と思しき、お菓子の袋を持っている桧山さんが席の横に立っていた。
「あ!それ、行列で有名なお菓子屋さんのですよね?」
あまりにも有名なお店の袋だったので興奮気味に言うと、桧山さんは「シー」と口元に人差し指を当てた。
『高所恐怖症克服について。日曜の午前10時。当社前集合』
ゴルフコンペの帰りの車中、助手席でスマートフォンを使い、何かを調べていたことに気付いてはいたけど、こんなに早く決行されるなんて。
「なんでこんなことに」
頼んでもいないのに克服の手伝いなんて、何としてでも拒否すれば良かった。
どこに行って、なにをするのか、何の詳細も書かれていないというのは不安しかない。
『慣れ…は難しそうだから、楽しいと思わせられれえばいいのか。思い切ってトラウマを再現して乗り越えるのもひとつの手かもしれないな』
あのときの紬の呟きが脳裏を過り、身震いが起きる。
「楓ちゃん?大丈夫?体震えてるけど、具合悪い?お菓子もらったんだけど食べれないかな?」
「お菓子?」
そこに反応して見ると、手にお土産と思しき、お菓子の袋を持っている桧山さんが席の横に立っていた。
「あ!それ、行列で有名なお菓子屋さんのですよね?」
あまりにも有名なお店の袋だったので興奮気味に言うと、桧山さんは「シー」と口元に人差し指を当てた。