極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
「あら?楓ちゃんが休み時間以外に休憩室使うなんて珍しいわね」
「遠藤さん…って、あ!」
マズイ。
私の足元には有名店の紙袋がある。
「あら、これって…」
視線を下げてしまったことで遠藤さんがその紙袋に手を伸ばした。
それを半ば奪い取るようにして後ろ手に回す。
「これ、汚れてるんで私が処分しておきます。えっと、それより、えっとそうだ!」
ちょうどいい。
誤魔化す意味を含めて規則の裏の意味を問う。
「あぁ、それね。ふふふ。なに?頭いいのに分からないの?」
軽くバカにされた感じは否めないけど、ここは引けない。
「教えてください」
詰め寄ると遠藤さんはニヤリと笑った。
「それはね…」
もったいぶる遠藤さんに一歩近づき、答えを要求する。
「それは?」
「それは…まだ教えられないかな。本当にこの規則をどうにかしたいと思ったときに教えてあげる。でもそれじゃ意地悪だからヒントくらいは教えてあげるわね」