極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~

「あら?楓ちゃんが休み時間以外に休憩室使うなんて珍しいわね」
「遠藤さん…って、あ!」


マズイ。
私の足元には有名店の紙袋がある。


「あら、これって…」


視線を下げてしまったことで遠藤さんがその紙袋に手を伸ばした。
それを半ば奪い取るようにして後ろ手に回す。


「これ、汚れてるんで私が処分しておきます。えっと、それより、えっとそうだ!」


ちょうどいい。
誤魔化す意味を含めて規則の裏の意味を問う。


「あぁ、それね。ふふふ。なに?頭いいのに分からないの?」


軽くバカにされた感じは否めないけど、ここは引けない。


「教えてください」


詰め寄ると遠藤さんはニヤリと笑った。


「それはね…」


もったいぶる遠藤さんに一歩近づき、答えを要求する。


「それは?」
「それは…まだ教えられないかな。本当にこの規則をどうにかしたいと思ったときに教えてあげる。でもそれじゃ意地悪だからヒントくらいは教えてあげるわね」

< 46 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop