極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
登山
『関係者と恋愛しても業務に支障が出なければいいのよ』って…
もうこれは規則でもなんでもない。
ただのなぞなぞだ。
でも仕事に追われていたらその意味を追求する間も無く、気が付けば紬と約束していた日曜日がやって来た。
服装はどこに行ってもおかしくないように白シャツにブラウンのワイドパンツを合わせて、日差しよけにカンカン帽、それと黒のパンプス。
あとは夏らしく籠バッグを持ってみた。
いつもよりラフ。
でも待ち合わせが紬の社屋があるビルの前だから仕事に来たみたいで落ち着かない。
「そろそろ時間だけど」
はやる気持ちを抑えつつ、腕時計に目を向け、また視線を道路の方に向ける。
すると一台の黒いラグジュアリーセダンが路肩に駐車し、そこからグレーのインナーにネイビーのシャツ、そして白パンツが夏らしく爽やかな男性が車から降りて来た。
「私服もカッコいいなぁー」
ため息混じりに呟いてから帽子を取り、紬に駆け寄る。
「おはようございます。社長。今日はよろしくお願いします」
私がお願いした訳ではないけど礼儀として軽く頭を下げる。
そして顔を上げればゴルフのときと同じように私の服装を上から下に見ている紬がそこにいた。