極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
「えぇ。私、田中って言うんですけど、大学の山岳部の後輩なんです」
見た目と声から20歳前後かと思っていたけど私とさほど年齢は変わらないらしい。
歳より上に見られがちな私はそんな彼女が羨ましくてついついジッと見てしまう。
それに対して田中さんは少し勘違いをした。
「私、先輩とはなんでもありませんから大丈夫ですよ」
「え?あ、いえ、そんなつもりで見ていたんじゃありません。私、社長とはただの仕事の関係者ですから」
手を左右に振って否定する私に疑いの目が向けられた。
「ただの仕事関係者とふたりきりで山に登りますかね?先輩、事前に『細身で背の高い女性を連れて行くから似合うものを用意しておいてくれ』って連絡まで寄越したんですよ。そんなの初めてで驚いちゃいました」
それを聞いて私も驚く。
「恋人を連れてきたことないんですか?」
「私が知る限り、女性を連れて来たことはないですね」
だとしてもそれを聞いて優越感に浸るとか、テンションが上がるわけではない。
だって今日はデートとかじゃなくて、ただのゴルフの勝負の延長だから。
紬にはあの香水の彼女がいる。
そのひとのことをちゃんとわきまえた上でここにいるんだ。
見た目と声から20歳前後かと思っていたけど私とさほど年齢は変わらないらしい。
歳より上に見られがちな私はそんな彼女が羨ましくてついついジッと見てしまう。
それに対して田中さんは少し勘違いをした。
「私、先輩とはなんでもありませんから大丈夫ですよ」
「え?あ、いえ、そんなつもりで見ていたんじゃありません。私、社長とはただの仕事の関係者ですから」
手を左右に振って否定する私に疑いの目が向けられた。
「ただの仕事関係者とふたりきりで山に登りますかね?先輩、事前に『細身で背の高い女性を連れて行くから似合うものを用意しておいてくれ』って連絡まで寄越したんですよ。そんなの初めてで驚いちゃいました」
それを聞いて私も驚く。
「恋人を連れてきたことないんですか?」
「私が知る限り、女性を連れて来たことはないですね」
だとしてもそれを聞いて優越感に浸るとか、テンションが上がるわけではない。
だって今日はデートとかじゃなくて、ただのゴルフの勝負の延長だから。
紬にはあの香水の彼女がいる。
そのひとのことをちゃんとわきまえた上でここにいるんだ。