君の声
俺は今まで、それなりに恋愛経験はしてきたつもりだ。手を繋いだし、デートもしたし、もちろんキスだって。そういうことをした彼女に振られてもこんなに影響されることなんてなかった。なのに、俺は今、影響を受けている。小林 明音という、なんの繋がりもない、ラジオで知っただけの女性のことで…。そんなことを考えながら、俺はいつの間にか、自分のマンションがある駅へ向かう電車に乗って揺られていた。だから、隣に座っている帽子をかぶった女性が誰なのかなんて、想像もできなかったんだ。
ガタンゴトン、ガタンゴトン。穏やかに電車に揺られていると、急に電車が急ブレーキをかけた。その途端、隣の座っていた女性が思いっきり俺に寄りかかってきた。
「キャッ」
俺は思わず、その女性を受け止めてしまった。
「だ、大丈夫ですか?」
「すいません、すいません!急にブレーキなんかかかって、思わず寄りかかってしまいました!そちらこそ大丈夫ですか?」
大丈夫ですよ、と言おうとした時、帽子で顔は見えなかったが、ふとこの声に聞き覚えがあることに気づいた。
ガタンゴトン、ガタンゴトン。穏やかに電車に揺られていると、急に電車が急ブレーキをかけた。その途端、隣の座っていた女性が思いっきり俺に寄りかかってきた。
「キャッ」
俺は思わず、その女性を受け止めてしまった。
「だ、大丈夫ですか?」
「すいません、すいません!急にブレーキなんかかかって、思わず寄りかかってしまいました!そちらこそ大丈夫ですか?」
大丈夫ですよ、と言おうとした時、帽子で顔は見えなかったが、ふとこの声に聞き覚えがあることに気づいた。