髪の長い私は風と涙が嫌いだった。
ハジマリ


小さな頃に母親に言われた

「果恋は長い髪が似合うわ」と


その時はどうしようもなく嬉しくて

「かれん、もう髪切らない!」

なんて言って2人で笑い合っていた。


それから本当に髪をのばした。


美容院に行っても毛先をそろえるだけ


染めたり、パーマもしたことの無い

真っ黒な髪は輝いていた。



小学生の時にも、プールの授業の時

友達には、

「かれんちゃん、髪の毛キレイだね!」

って言われてとても嬉しかった。



中学生の時には、初めて出来た彼氏にも

「髪が長いのすごい似合ってる」

って褒められて浮かれていた。

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