髪の長い私は風と涙が嫌いだった。
シャワー台に座るとお湯のシャーという
音とともに生温いくらいの温度のお湯が
髪にかかった。
「いやー、それにしても綺麗な髪ですね」
『えっ』
今まで何度も言われて、聞きなれたはずの
セリフが初めていわれたように感じた。
『ぁ…ありがとうございます…』
「あれ?なんか、言っちゃダメでした?」
『いっいえ!そんなことはないですけど』
「失恋ですか?」
『はっ!いえいえ違います。』
「そうですか(´・×・`)」
「でも、すいません…」
『ほんとに大丈夫ですから』
「…」
『…』
シャーというシャワーの音しか聞こえない
気まずくなって何か話題を考えていると、
「そういえばどうしてここを
選んでいただけたんですか?」
げっ 安いからなんて言っていいのかな…
『最近出来て気になってたんで』
「そうなんですね!ありがとうございます」
(o´Д`)=зフゥ…なんとかって感じかな
「シャワー終わりましたんで、先程の席へ」
『はい』