白い恋と私の理想日記
「約束通り、来たよ。」
「約束……してないよ。」
翌日、彼は本当に保健室に来た。
「マラソンの授業、サボっていいの?」
私は読んでいた文庫本を両手でパタンと閉じ、彼に訊いた。
私の読んでいる本は、重い心臓病で余命一ヶ月と医者に診断されながらも、毎日優しくお見舞いに来てくれる担任の男性教師に片思いをしてしまった、先生と生徒の恋愛小説だ。
「ケガしたんだから、保健室に来たんだろ。」
彼は白い包帯が巻いてある、右足首を私に見せる。
「小春先生に包帯巻いてもらったんだから、見学に戻った方がいいよ。」
彼に、優しくしてもらいたくなかった。それは、彼の大切な時間を私が奪っているような感じがしたから。
それでも真夏君は、「もしもぜんそくが治ったら、冬ちゃんは一番何がしたい?」
と、優しい口調で、自分勝手に質問をした。
「え!」
私は、目を丸くして驚いた。そして、「外で思いっきり運動してみたいかな?冬は、嫌いだけど。」
私は雪が降っている、外の冬の景色に視線を移した。
「ふーん、そうか。でも僕は、冬が好きだけどな………」
「えっ!」
一瞬、私のことを言ってくれたのかと思って心臓がドクンと音を立てたが、彼の視線は私と同じ名前の外の冬の季節に向けられていた。
ーーーーーー違った。
空から降っている雪が、今の自分の気持ちを表しているようだ。
「約束……してないよ。」
翌日、彼は本当に保健室に来た。
「マラソンの授業、サボっていいの?」
私は読んでいた文庫本を両手でパタンと閉じ、彼に訊いた。
私の読んでいる本は、重い心臓病で余命一ヶ月と医者に診断されながらも、毎日優しくお見舞いに来てくれる担任の男性教師に片思いをしてしまった、先生と生徒の恋愛小説だ。
「ケガしたんだから、保健室に来たんだろ。」
彼は白い包帯が巻いてある、右足首を私に見せる。
「小春先生に包帯巻いてもらったんだから、見学に戻った方がいいよ。」
彼に、優しくしてもらいたくなかった。それは、彼の大切な時間を私が奪っているような感じがしたから。
それでも真夏君は、「もしもぜんそくが治ったら、冬ちゃんは一番何がしたい?」
と、優しい口調で、自分勝手に質問をした。
「え!」
私は、目を丸くして驚いた。そして、「外で思いっきり運動してみたいかな?冬は、嫌いだけど。」
私は雪が降っている、外の冬の景色に視線を移した。
「ふーん、そうか。でも僕は、冬が好きだけどな………」
「えっ!」
一瞬、私のことを言ってくれたのかと思って心臓がドクンと音を立てたが、彼の視線は私と同じ名前の外の冬の季節に向けられていた。
ーーーーーー違った。
空から降っている雪が、今の自分の気持ちを表しているようだ。