叶わないコト。
「最近、理佳元気なくない?」
あー、どうして気づくかな。
どうして。
あの子の事ばかり見てればいいのに。
何で気づくの。
私の想いには気づかないくせに。
「…元気だよ。」
「嘘つけ。熱中症とかじゃねぇの?
最近暑いから。大丈夫かよ。」
大丈夫だから放っておいてよ。
額に手当てられたら、
顔赤くなるの、誤魔化せないじゃん。
「全然大丈夫!平気ー!
それより桜木さん、今一人だし
ご飯誘うのチャンスだよ?」
「うっせー。
具合悪い奴、置いて行けるかよ。」
ほら、こういう時ばかり
あの子より私を優先して。
嬉しくなっちゃう私も大概馬鹿だけど。
ほんと、ばか。ほんとに、ばか。
私に構ってないでよ。
あの子の事しか見てないでよ。
あるわけない希望を
夢見ちゃうから。
少しでも
君と付き合える可能性を
探しちゃうから。
お願い。
いっそのこと
突き放してよ。