リト・ノート
(美雨、僕は君に新しく生きて欲しかったけれど、やはり君の生き方に干渉したくなったのかもしれない。君は何も悪くない、僕のエゴだよ)

「リト、怪我してるんだろ?」

(僕は約束しただろう。君は自分の幸せを願い、それはすでに叶っている。だから心配しなくていいんだ。
君が何を選んでも問題ない。心からの望みはすべて叶えられる。叶わなかった願いなら、きみの本当の願いじゃなかったということ、大事なのはそれだけだよ)

羽鳥を無視して、リトがリトらしいよくわからない話を続けて行く。

(覚えているかい?)

「1.その瞬間に、一番やりたいことをやる」
「2.自分の情熱を、全部かけてやる」
「3.結果へのこだわりを、ゼロにする」

美雨は一緒に呟いていた。とっくに暗記してる。

リトにもう会えないことはなぜだかわかって、涙がにじんで来ていた。

(大丈夫だ、美雨。泣かなくていい。君が望む限り、僕たちの絆は切れない)

美雨だけでは話せなくなったのに、リトはそんなことを言う。
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