リト・ノート
「つながってないよ、この子は。残念だね、可能性を閉じてる」
『つながる』というインコの言葉に美雨はふと思いつき、深く考えずテーブル上に置かれた手を握ってみた。
羽鳥がビクッとしたのを感じたが、構っていられなかった。
「これならつながる?」
「ふむ、どうやらつながったようだね。さすが美雨だ」
「え?……これがインコの声?」
「そうだよ、頭でっかちくん。これがインコのリトの声だ」
「インコの口と連動してない」
驚きながらも冷静な観察力を羽鳥は見せた。
「そうだね、音の出る声ではない。美雨につながってるから聞こえるだけだ」
「すげえ。会話になってる」
声を大きくした羽鳥はただ単純に嬉しそうだが、会話が成り立っていることに美雨は圧倒されていた。
それでも、羽鳥にも聞こえたということに安心する。
音の出る声ではないって、声に出さなくても聞こえるのだろうか。
「聞こえるよ。インコの身体は経由しているが、声帯を使ってはいない」
私の考えてることが、羽鳥にも聞こえちゃうの?! と美雨は驚愕する。