リト・ノート
「それに根回しも大事。羽鳥も企画手伝ってあげて。あと、多分出場者が足りなくなるだろうから、関わりたいなら出なさいよ」

「あの、一応、計画は書いてみたんです」

美雨はレポート用紙に書いてきた提案を、恐る恐る手渡す。

期末試験に影響のない日にちで、水曜放課後。5人の発表と投開票で、合計1時間ほどのイベントになる。放送委員に手伝ってもらって告知するなど、人を集める方法も書いてみた。

「へえ、考えてあるね。だいたいいいと思うけど、委員会でいきなりバーンと出すと3年生の顔が立たないから、根回しね」

「はい」

「羽鳥も見習うといいよ。こないだみたいにギリギリで大騒ぎされると大変なのよ。書類って結構大事」

「はいはい。俺の話はいいですから、今日は」

それから少し内容について質問されて、前任校での図書委員のイベントの話をしてもらって、だいぶ経ってから解放された。

足取り軽く図書準備室から直接廊下へのドアを出ると、羽鳥の方はかったるそうに首を回した。

「いい人なんだけど話長いんだよな」

「でもうまく行きそう。やっぱりリトなのかな」

「だろ。あとお前が気に入られてるんだよ。見習うといいよ、だってよ?」

褒めてるようで口調がバカにしてるので、どう反応していいか詰まる。


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