リト・ノート
バトル用に美雨は読みやすそうなライトミステリを選んでいた。羽鳥はバトルの発表練習をさせる気だったようで、とりあえずやってみてと強引に進める。しかたなく美雨はどんな話でどこが面白いのかを話してみるが、自分で聞いてもたどたどしい。
「なんでそんな緊張してんの」
「わかんないけど、面白くないかなって」
「ていうより、お前が面白がってなさそう。本当はもっと好きな本あるんじゃないの?『ただのぼんくら』の話ってこれじゃないだろ」
あれを勧められても読める人が少ないのではと思いつつ、美雨は本棚から6冊の分厚い本を出してきた。
「異世界ファンタジーってわかる? シリーズになっててちょっと分厚いんだけど、でもすごい面白いの。1巻と2巻が対になってて、本当はこういう事情があったとか、だんだん謎が解けるの」
わかっていなそうな羽鳥に、初めは恋愛中心に見えて、でも政治が絡んだり謎解きもあって、本当に何度読んでも発見があって、と解説していった。
「へえ。よくわかんないけど、面白そうじゃんこっちの方が」
1巻を手に取ってパラパラ取ってめくると、「貸して。読んでくる」と羽鳥は6冊全部を持ち上げてカバンに詰め込んだ。
「なんでそんな緊張してんの」
「わかんないけど、面白くないかなって」
「ていうより、お前が面白がってなさそう。本当はもっと好きな本あるんじゃないの?『ただのぼんくら』の話ってこれじゃないだろ」
あれを勧められても読める人が少ないのではと思いつつ、美雨は本棚から6冊の分厚い本を出してきた。
「異世界ファンタジーってわかる? シリーズになっててちょっと分厚いんだけど、でもすごい面白いの。1巻と2巻が対になってて、本当はこういう事情があったとか、だんだん謎が解けるの」
わかっていなそうな羽鳥に、初めは恋愛中心に見えて、でも政治が絡んだり謎解きもあって、本当に何度読んでも発見があって、と解説していった。
「へえ。よくわかんないけど、面白そうじゃんこっちの方が」
1巻を手に取ってパラパラ取ってめくると、「貸して。読んでくる」と羽鳥は6冊全部を持ち上げてカバンに詰め込んだ。