言わないけれど、好き
後編
ダブルベッドに二人で寝転び、明日のアラームを確認する。
すると彼女が脇の下あたりに潜り込む。
ここが定位置と言わんばかりだ。
俺は少しだけ携帯ゲームをしているあいだ、彼女は背中を預けて俺の腕をさすっている。
これも合図だ。
ただ、恥ずかしがり屋の彼女は言わない。
でも俺は合図だと思っている。
耳たぶを少し舐めとると、ピクンと少し跳ねる体。
ほらね、期待している。
「もしかして、待ってる?」
「・・べつに?待ってませんけど」
「あ、そう。じゃ今日はいい?やめとく?」
「・・・・・もういいです。やめときますよ」
「ほんとうにいい?寝るよ?」
「・・・・・・・・よくない」
腕にすり寄せてきた彼女の頬に熱を感じる。
こういうところも、俺には可愛いと思える。
軽く首筋にキスを落とす。
小さな吐息が、俺をたまらなくしていく。
「好きだよ」
彼女が俺の顔を両手で包み込んだ。
目を合わせ、優しく微笑む。
その瞬間、俺のリミッターが外れた。
「俺も・・・」
好きと小さく伝え、彼女の首筋に顔を埋める。
「なかなか言ってくれないから、貴重だね」
不満でもなく文句でもなく、むしろ嬉しそうに彼女が言う。
ほんと敵わない。
こんな俺でいいのか?とか俺といて幸せか?とか・・いろいろ言いたくなるけど
「俺も大好き」
そう言って細い体を抱きしめる。
これが精一杯だ。
しかも滅多に言わないし言えない。
態度に表すのもこれがやっとだ。
「うん、ちゃんと伝わってるよ。あたしも大好き」
あぁ・・・その笑顔。もう本当に。
心が満たされるっていうのはこういうことなんだろう。
そして今日も佳奈子への「好き」が積もり溢れていく。
気恥ずかしくて言えないけれど。
*終わり*
すると彼女が脇の下あたりに潜り込む。
ここが定位置と言わんばかりだ。
俺は少しだけ携帯ゲームをしているあいだ、彼女は背中を預けて俺の腕をさすっている。
これも合図だ。
ただ、恥ずかしがり屋の彼女は言わない。
でも俺は合図だと思っている。
耳たぶを少し舐めとると、ピクンと少し跳ねる体。
ほらね、期待している。
「もしかして、待ってる?」
「・・べつに?待ってませんけど」
「あ、そう。じゃ今日はいい?やめとく?」
「・・・・・もういいです。やめときますよ」
「ほんとうにいい?寝るよ?」
「・・・・・・・・よくない」
腕にすり寄せてきた彼女の頬に熱を感じる。
こういうところも、俺には可愛いと思える。
軽く首筋にキスを落とす。
小さな吐息が、俺をたまらなくしていく。
「好きだよ」
彼女が俺の顔を両手で包み込んだ。
目を合わせ、優しく微笑む。
その瞬間、俺のリミッターが外れた。
「俺も・・・」
好きと小さく伝え、彼女の首筋に顔を埋める。
「なかなか言ってくれないから、貴重だね」
不満でもなく文句でもなく、むしろ嬉しそうに彼女が言う。
ほんと敵わない。
こんな俺でいいのか?とか俺といて幸せか?とか・・いろいろ言いたくなるけど
「俺も大好き」
そう言って細い体を抱きしめる。
これが精一杯だ。
しかも滅多に言わないし言えない。
態度に表すのもこれがやっとだ。
「うん、ちゃんと伝わってるよ。あたしも大好き」
あぁ・・・その笑顔。もう本当に。
心が満たされるっていうのはこういうことなんだろう。
そして今日も佳奈子への「好き」が積もり溢れていく。
気恥ずかしくて言えないけれど。
*終わり*