僕が小説を書くように
 さんざん彼女に邪な気持ちを抱いたけれど、今はなんだか、このままでいたかった。

 彼女は、本当にピュアなのだ。

 最初は、カマトトぶるなって思ったけどね。
 あ、これはもう死語だな……。

 でも、この一分一秒も、惜しい。

 じわじわ近づいて、キスしてやろうか。

 そう思ったけれど、彼女から安らかな寝息がきこえてきたので、やめにした。

 その代わり、手をのばして、
 タオルからはみ出して見える頬を、指で触った。
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