僕が小説を書くように
 昼休み、研究室にこもってコンビニ弁当を食べながら、彼女にメッセージを送った。

『遅刻させてしまっていたら、ごめん』

 すぐ返事が来た。
『一限はゆるい講義だったので、大丈夫でした』

『良かった。きみは昨日の服のままなの?』
 白地に花柄の、ワンピースだった。

『そうです。学内に友達がいなくてよかった。
 それより、ゆうべ先生に責められたところが痛いです』

 苦笑してしまう。
『今度はもっと、可愛がってやるよ』

『お手柔らかにお願いします。
 先生って、小説のとおり、Sだったんですね』

『今頃気づいたの?
 放課後に研究室にいらっしゃい』

『わかりました』

 午後の講義の予鈴が鳴った。
 従順な彼女に頬ずりしたくなった。

 代わりにスマホに頬ずりした。
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