僕が小説を書くように
「次は、いつ会える?」
 もちろん、学校の外でという意味だ。

「中間テストが終わってからなら……」
 彼女は、スマホでスケジュールを確かめている。

「また、連絡する」
「はい」

 彼女の顔に、迷いのような感情が刻まれている。
 揺れているのだな、と思う。

 このまま、一線を越えてしまっていいのかどうか。

「あなたに教えたいことが、山ほどあるんだ」

「それは、……エロティックな意味で?」
「それだけじゃないけど、そうだ」

 真面目な顔でうなずくと、彼女はあきれた、というふうな顔をした。
「ろくでもない先生ですね」

「そう思ってくれて、構わない」
 必死で、緩んでいる顔を引き締めて、言った。
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