僕が小説を書くように
 それからの僕の生活は、毎日目覚めるのが楽しみになるほど激変した。
 毎日こっそり彼女と連絡を取り合うのに夢中だったし、人当たりがおおらかになった。

 週末になるたび彼女と会っていた。
 彼女も変わった。こわごわ接していた性というものを知り、大胆になっていった。

 付き合う相手によって男も女も変わる。
 僕は女との付き合いで変わったことはないと思いたかったが、そうでもないと自覚した。
 
 なんだか、新しい自分を発見した気分だった。

 今思えば、これが彼女との蜜月で、関係のピークだったのだ。

 考えたこともない、いや、記憶から追いやっていたことで、僕はこの後苦しむこととなる。
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