僕が小説を書くように
「まあ、警告はしましたからねえ。
 あとはぼくの好きなようにさせてもらいます」

 男は、立ち去ろうと公園の入り口に向かった。
 背を向けたときに、ぼくの中に殺意が生まれた。

 こういうときに、ひとはひとを殺してしまうのだろう。

「……彼女に手を出したら、ただじゃおかんぞ」
 絞り出すようにそう言うのが、やっとだった。

 男は、手をひらひらさせながら、去っていった。



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