僕が小説を書くように
 次の週、出勤するのがとてもつらかった。

 同僚とすれ違うたび、びくびくする。
 非難されるのじゃないか。
 笑われるのじゃないか。

「先生、顔色がとても悪いです。大丈夫ですか?」

 女性の教授に、心配されてしまった。
 それさえも本心かどうか、わからない。

 すがるように、彼女にメッセージを送る。
 既読のマークが、まったくつかなくなっていた。
 
 少しだけ、研究室でまどろんだ。
 疲労がピークに達している。気絶とほとんど変わらない。
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