僕が小説を書くように
終わっていく恋
 帰宅してすぐ、彼女に直接電話をかけた。
 出ろ、出ろ、出ろ、出てくれ……。

 電話がつながった気配があった。

「もしもし、もしもし……」
 僕は叫んだ。

「先生……」
 彼女はしゃくりあげていた。

「どうしたんだ。なにかあったのか」

「先生が、わたしはわかりません……」

 僕の隠し事を知ってしまったのか。
 直感で、そう思った。
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