僕が小説を書くように
 彼女の目指す先。
 それは、墓地だった。

 誰の墓参りをするのだろう。

 墓地なら、いざとなったら隠れられるところがいくらでもある。
 丘陵を進む彼女の背中を追う。

 やがて彼女は、ひとつの墓の前で立ち止まった。

 そこには、「松島」の文字が刻まれていた。
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