【完】『雨の日と月曜日は』
玄関の脇の、掃き出し窓に備え付けされたウッドデッキで一徹が缶コーラを飲んでいると、
「あ、ママおかえりー」
泉が母親を見つけた。
「この人は?」
「あ、どうも…お邪魔してます」
一徹が母親と軽く挨拶を交わすと、
「泉、新しい彼氏かなんか?」
「うぅん…あのね、彼はセフレ」
思わず泉の発した単語に、一徹はむせそうになった。
「たまたま海で帰りに会ってさ。送ってって頼んだらバイクに乗せてくれた」
「泉がお世話かけまして」
「いや、なんかはぐれたのかどうか分かりませんけど、海に女の子置いて行くのはどうかなって思ってたんで」
一徹は辻褄が合うように言った。