【完】『雨の日と月曜日は』
が。
道路の工事で回り道をして帰らなければならなくなった月曜日の夕方、泉はバイクに乗る一徹を交差点で見かけた。
買い物の荷物を積み、重そうに走るのを見て、なんとなく泉はついて行ってみることにしたのである。
自転車で必死に追いかけながら、一徹の自宅とおぼしきアパートにたどり着くと、荷物をアパートに運び込んでいる。
長葱やトマトが見えたので、きっと食材なのであろう。
手伝っていたのは、高齢の老婆と思われる女である。
「へー、イッテツっておばあちゃん子なんだ」
泉は見つからないように引き返すと、もと来た道を帰って行くのであった。