【完】『雨の日と月曜日は』
バイクのエンジンをかけた。
そのとき。
「…あの、すみません」
明らかに女の声なので、無縁だと思ったのかそのまま出ようとしたが、
「あの」
今度は肩を小突かれた。
やむなくエンジンを切って向き直ると、茶髪というより金髪に近い、長い髪をクルクルと巻いた、半袖に黒いスカートのギャルがいる。
しかも。
可愛いが、知らない顔である。
フルフェイスのヘルメットのシェードが黒いので、人違いでもしたのであろう。