ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。
私……本当に謙信くんと結婚できるのかな? こんなに素敵な人の奥さんが私で大丈夫なの?

自信はない。……でも、やっぱり私は謙信くんが好き。その気持ちだけは揺るがない。

「……うん」

だから少しでも謙信くんの隣にいるのにふさわしい女性になれるよう、頑張ろう。

返事をすると、謙信くんは突然ニヤリと笑い、とんでもないことを言った。

「ちなみに夫婦になる以上、すみれといろいろなことしたいから早く慣れてね」

「…………えっ!?」

い、いろいろなこと!? それってどんなこと!?

テンパる私に謙信くんは唇の端を吊し上げた。


「俺が言いたいことがわからないほど、そこまで子供じゃないだろ? それともなに? すみれは結婚後も今まで通り俺と、ただの幼なじみの関係でいられると思っていたの?」

カップをテーブルに置くと、頬杖をつき私の顔を覗き込む彼は、私の反応を見て面白がっているようにも見える。
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