ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。
『初デートで彼の本音に触れて』
カーテンの隙間から朝陽が差し込んできた。重たい瞼を開けるも、あともう少しこのままふかふかの布団に包まれていたい。

それに昨夜はなかなか寝つくことができなかったから。

今日は日曜日。あと五分だけ……。深く布団を被り、再び眠りに就こうとした私の身体に圧し掛かる重み。


んっ……なに?

再び瞼を開けた瞬間、目の前に謙信くんのアップ顔があり、眠気も一気に吹き飛んだ。

「キャッ!?」

どうして謙信くんが私の部屋に!?

勢いよく起き上がると謙信くんもゆっくりと起き上がり、私の髪を整えてくれた。

「おはよう、すみれ。昨夜はよく眠れた?」

「う……うん」

本当は寝不足だけどとは言えず、少しずつ謙信くんと距離を取る。

あまりにも謙信くんとの距離が近かったから。それなのに謙信くんはまた私との距離を縮める。
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